CONTENTS

4.2 在外選挙人名簿

第4章の2 外国にいても投票しよう

第四章の二 在外選挙人名簿

第5章 選挙はいつだっけ

第4章 これに載ればあなたも選挙人
在外選挙人名簿について
第30条の2

国外にいる日本人が国政選挙に参加するため、市町村の選挙管理委員会により在外選挙人名簿がメンテナンスされています。
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在外選挙人名簿は適切なメンテナンスを繰り返しながら恒久的に国政選挙で運用され続けます。
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選挙人名簿から登録を抹消した上で、在外選挙人名簿に登録を移し替えることを《在外選挙人名簿への登録の移転》といいます。

在外選挙人名簿への登録や在外選挙人名簿への登録の移転は選挙管理委員会が行います。
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在外選挙人名簿はデジタルデータでメンテナンスされています。
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在外選挙人名簿の情報は必要に応じて選挙のために使われます。
原文
在外選挙人名簿に記載されている事項
第30条の3

在外選挙人名簿に記載されている事項は次の通りです。

  • 選挙人の氏名
  • 国外に移る前の住所か、申請をした時点での本籍
  • 性別と生年月日

名簿がデジタルデータの場合は上記が登録されています。
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市町村の中に複数の選挙区がまたがっている場合、区市町村の選挙管理委員会が在外選挙人名簿によりどの選挙区で投票することになるのかを指定します。

指定について詳しいことは政令で規定されています。

これにより指定された選挙区のことを《指定在外選挙投票区》といいます。
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その他、在外選挙人名簿について詳しいことは政令で指定されます。
原文
在外選挙人名簿に登録してもらうには
第30条の4

在外選挙人名簿に登録してもらえる条件は次の通りです。

  • 18歳以上の日本国民であり、選挙権をちゃんと有していること。
  • 登録の申請をする時点で在外選挙人名簿に登録されていないこと。
  • 登録の申請をする時点で領事館が管轄している国外の地域に3ヶ月以上滞在生活を続けていること。
  • 滞在生活をしている領事館に登録申請を行うこと。
大使館や公使館でも登録申請ができる所がありますので、総務省令や外務省令をご確認ください。
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出国の前に、通常の選挙人名簿から在外選挙人名簿に登録を移し替えることもでき、これを《在外選挙人名簿への登録の移転》といいます。

《在外選挙人名簿への登録の移転》をしてもらえる条件は次の通りです。

  • 18歳以上の日本国民であり、選挙権をちゃんと有していること。
  • 移転の申請をする時点で在外選挙人名簿に登録されていないこと。
  • 出国をする直前まで住んでいる区市町村の選挙人名簿にきちん名前が記載されていること。
  • 出国後の新しい住所が決まっていること。
  • 滞在生活をしている領事館に登録申請を行うこと。
原文
在外選挙人名簿への登録を申請するには
第30条の5

日本国外に住んでいる18歳以上の人など、在外選挙人名簿に登録してもらえる資格があるなら、在外選挙人名簿の登録を申請しましょう。

ただし住んでいる外国の地に日本領事館が無ければ手続きはできません。

登録の申請は、日本を離れる直前に住んでいた区市町村の選挙管理委員会宛に書面で行います。

日本を離れる前に選挙人名簿に記載されたことがない人は、本籍地の選挙管理委員会宛に申請をしてください。
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在外選挙人名簿の登録の手続きは住んでいる外国の地の日本領事館で行うことができます。

領事館が機能していない地域など特別な状況にある場合、総務省令や外務省令で指定された人に対して登録の手続きが行える場合もあります。
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領事館では在外選挙人名簿への登録手続きを受け付けると、対象となる選挙管理委員会に対してその書面が送られます。

この書面には登録が適切かどうかに関する領事館からのコメントが添えられることになっています。

書面の送付は下記のタイミングで行われることになっていて、その他詳しいことは政令で規定されています。

申請をした人が領事館の管轄している地域で住所の登録を行ってから3ヶ月以上経過していることが確認できた場合は、すぐに書面が送付されます。

申請をした人が領事館の管轄している地域で住所の登録を行ってから3ヶ月未満しか経過していないことが確認された場合は、住所の登録が行われてから3ヶ月が経過してから書面が送付されます。
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日本国外に住んでいる18歳以上で、選挙人名簿に記載がある人が国外への転出届けをしたら、選挙管理委員会に対して《在外選挙人名簿への登録の移転》も申請しましょう。
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《在外選挙人名簿への登録の移転》の申請をすると、国外の新しい住所について選挙管理委員会から外務大臣に対して確認の手続きが行われます。
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確認手続きが行われると外務大臣から選挙管理委員会に対して、国外の新しい住所に関する回答が得られるはずです。
原文
問題なく在外選挙人名簿の申請が行われると
第30条の6

問題なく在外選挙人名簿への登録申請が行われると、区市町村の選挙管理委員会により在外選挙人名簿に登録してもらうことができます。
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問題なく在外選挙人名簿への登録の移転申請が行われると、区市町村の選挙管理委員会により在外選挙人名簿への登録の移転をしてもらうことができます。
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衆議院議員や参議院議員の選挙期間中は在外選挙人名簿への登録も、在外選挙人名簿への登録の移転も行われません。
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在外選挙人名簿に登録されると、申請を行った領事館から在外選挙人名簿に登録された証となる《在外選挙人証》が交付してもらえます。
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在外選挙人名簿に登録が移転されると、外国の住所を管轄する領事館から《在外選挙人証》が交付してもらえます。
原文
第30条の7

削除
在外選挙人名簿への登録が不服だったら
第30条の8

在外選挙人名簿に登録されたり、されなかったりした結果に関して不服があったら、区市町村の選挙管理委員会に書面で異議の申立をしてください。

ただし、申立が行えるのは次の期間中にしかできません。

4ヶ月ごとに行われる選挙人名簿への登録が行われた日の次の日から5日間。

衆議院選挙や参議院選挙のために設置される基準日により選挙人名簿への登録が行われた日の次の日
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期間中にきちんと異議申立をしたら3日以内に選挙管理委員会によってその異議申立がもっともなものかどうかが判定されます。

誤った登録に対する異議申立が認められるとその場で在外選挙人名簿の登録が抹消されます。

登録されないことに対する異議申立が認められるとその場で在外選挙人名簿に登録されます。

異議申立の対処が済むと異議申立をした当人にその結果が通知されます。

異議申立が認められなかったとしても、その結果は異議申立をした当人に通知されます。
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在外選挙人名簿に関する異議申立に対して、選挙管理委員会は必要に応じて異議申立をして人の意見を聞いたり、参考人の意見を聞いたり、検証を行ったり、関係者に質問をしたり、意見を聞いたりすることが認められています。

異議申立の請求をするには、いつ、誰がどのような在外選挙人名簿に対する異議を申し立てたのかなどの必要事項を記入した書類で行います。

その書類に不備があったら、期限を決めて書き直しをするように指示されることになります。

指示された期限までに不備を直した書類が再提出されない場合、却下となることがあります。

選挙管理委員会から異議の認否が出る前であれば、異議申立を取り下げることは認められます。

異議申立を行うにあたって自分の意見を選挙管理委員会に伝えたい場合は物理的に不可能ではない限り、意見を述べる機会が与えられることになっています。

異議申立に際して必要な証拠を提出することが認められています。

選挙管理委員会から異議申立に関する証拠の提出を求められたら期限内に提出してください。

異議申立は選挙管理委員会の判断で他の申立とまとめてチェックされることがあります。

まとめてチェックされる予定の申立であっても選挙管理委員会の判断で個別にチェックされることもあります。

選挙管理委員会がチェック完了との判断が出されたら、そのチェックに関する手続きは終了となります。

所定の期限内に弁明書や反論書、証拠が出されたら、チェックに関する手続きは継続されます。

チェックに対する意見書が出された、選挙管理委員会では速やかにチェックの結果を出さなければなりません。

選挙管理委員会からチェックの結果が出されたら出された証拠などは速やかに返還されます。
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在外選挙人名簿に関する異議申し立てがあっても、結果が決まるまでは現状通りの在外選挙人名簿で世の中は動きます。
原文
在外選挙人名簿に関して異議申立をしても
第30条の9

在外選挙人名簿の登録に関して異議申立をしても、選挙管理委員会から期待した結果が得られなかったら、選挙管理委員会を裁判で訴え出ることができます。

日本国内と違って通知を受けるまでにかかる時間は別として、結果の通知を受けてから7日以内に訴え出る必要があります。

訴えを起こすのは、訴訟相手となる選挙管理委員会を管轄する地方裁判所となります。

地方裁判所の判決でも期待した結果が得られなかったとしても、高等裁判所に裁判のやり直しを訴え出ることは認められていないのですが、最高裁判所に判決が正しいかどうかの判断を仰ぐことは認められています。
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在外選挙人名簿の登録に関する裁判は、公正な結論をできるだけ早く行う必要があります。

その裁判の結果が決まるまでは現状通りの在外選挙人名簿で世の中は動きます。

その裁判は、行政事件訴訟法の「取消訴訟」の規定が適用されるのですが、次の規定は適用されません。

  • 行政事件訴訟法第13条
    取り消し訴訟に関連する訴訟を同じ裁判所で行うことが認められる規定。

  • 行政事件訴訟法第19条
    取消訴訟の口頭弁論が終わるまでに関連する訴訟を同時進行で起こすことが認められる規定。

  • 行政事件訴訟法第20条
    関連する訴訟を同時進行で起こした場合の詳細についての規定。

  • 行政事件訴訟法第21条
    国や公共団体に対する取消訴訟を損害賠償選挙に切り替えることについての規定。

  • 行政事件訴訟法第25条
    取消訴訟により処分や仮処分の執行や手続きが止められないことなどについての規定。

  • 行政事件訴訟法第26条
    執行停止が決定した後、事情変更によりその決定を取り消しできることについての規定。

  • 行政事件訴訟法第27条
    内閣総理大臣による取り消し決定に対する異議についての規定。

  • 行政事件訴訟法第28条
    執行停止などの訴訟の管轄裁判所についての規定。

  • 行政事件訴訟法第29条
    裁決の取り消し訴訟でも執行停止の訴訟の規定を同じように適用することについての規定。

  • 行政事件訴訟法第31条
    違法と認められる場合であっても、処分や裁決の取り消しが公共の福祉につながらないと裁判所が判断した場合の請求棄却についての規定。

  • 行政事件訴訟法第32条
    一度、取り消しの判決が出たら、他の人の同様のケースでも取り消しとなることについての規定。

  • 行政事件訴訟法第33条
    処分の取り消し判決が出た場合の行政庁が行うべき対応についての規定。

  • 行政事件訴訟法第34条
    処分の取り消し訴訟に参加できずに、処分の取り消しによりダメージを受けた人の不服申し立てについての規定。


一方、在外選挙人名簿に関して多数の請求が寄せられているケースでは行政事件訴訟法の次の規定が同じように適用されます。

  • 行政事件訴訟法第16条
    多数の請求をまとめることについての規定。

  • 行政事件訴訟法第17条
    複数の請求が関連している場合の共同請求についての規定。

  • 行政事件訴訟法第18条
    口頭弁論が終わるまでに関連する訴訟を同時進行で起こすことが認められる規定。
原文
選挙権を失ったりすると在外選挙人名簿には書き込みが
第30条の10

刑罰を受けることになって選挙権を剥奪されたりすると、区市町村の選挙管理委員会に伝わり次第、在外選挙人名簿に「選挙権剥奪中」ということが書き添えられます。

在外選挙人名簿に載っている人が日本国内の選挙人名簿に記載されると、区市町村の選挙管理委員会に伝わり次第、在外選挙人名簿に「国内の選挙人名簿に記載あり」ということが書き添えられます。
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在外選挙人名簿の記載内容が誤っていたら、区市町村の選挙管理委員会に伝えると、修正をしてもらえます。

デジタルデータの記載内容が誤っていたら、デジタルデータも修正してもらえます。
原文
お亡くなりになったりすると在外選挙人名簿は抹消に
第30条の11

次の第一号や第二号に該当したら、区市町村の選挙管理委員会によって在外選挙人名簿からその人の情報は抹消されます。

次の第三号に該当したら、区市町村の選挙管理委員会によって在外選挙人名簿からその人の情報は抹消され、そのことが告示されます。

その人が日本国籍を失ったか、お亡くなりになった場合。

在外選挙人名簿に「国内の選挙人名簿に記載あり」ということが書き添えられた人が、戸籍に載った日から4ヶ月が経過した場合。

手違いで在外選挙人名簿の登録された場合。
原文
在外選挙人かどうかを確認するのは選挙人かどうかと同じ手順で
第30条の12

在外選挙人かどうかを確認するために、在外選挙人名簿の記載内容を確認する方法や手順は選挙人名簿の確認する場合と全く同じです。
原文
本籍地の区市町村から在外選挙人名簿を扱っている区市町村に
第30条の13

本籍地ではない場所で住所登録をしている人で、在外選挙人名簿に登録をしている人のことを《他市町村在外選挙人名簿登録者》といいます。

そのような人が本籍地の区市町村に戸籍の記載や変更の手続きをしてもらうと、そのことは在外選挙人名簿を扱っている区市町村に通知されます。

区市町村の権限で記載内容の変更などが行われたり、在外選挙人名簿から抹消される事態となったり、在外選挙人名簿を扱っている区市町村以外の地で在外選挙人名簿が作成されたことが判明した場合も、本籍地の区市町村から在外選挙人名簿を扱っている区市町村に通知されます。
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在外選挙人名簿に乗せる人の氏名や住所に関して他の区市町村の選挙管理委員会から問い合わせがあったら、本籍地の選挙管理委員会との間でその情報を確認しあうことになっています。
自分の在外選挙人名簿の本籍地に関する情報が誤っていると思われる場合は自分の本籍地の選挙管理委員会に問い合わせて、記載内容の確認や修正手続きなどの確認をしてください。
原文
在外選挙人名簿に載っているかを確かめるには
第30条の14

《在外選挙人証交付記録簿》は、政令に基づいて在外選挙人名簿に区市町村名と該当者の氏名などが記載された文書です。

在外選挙人名簿に登録されたかどうかを確かめるには、在外選挙人証交付記録簿を確認したいと領事館に申し出てください。

確認できるのは在外選挙人証交付記録簿の必要最小限の内容となります。
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在外選挙人証交付記録簿を確認したいという領事館への申し出を行うには、住所や氏名の他に総務省令で定められた事項を記載する必要があります。
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在外選挙人証交付記録簿の閲覧により、その情報が不正な目的で使用されるなど、領事館が不適当だと判断すると閲覧の許可が下りないこともあります。
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在外選挙人証交付記録簿の閲覧により得られた情報は、当人の記載状況の確認をする目的以外で使ってはなりません。

また得られた情報を第三者に提供することも許されません。

どうしても情報を使ったり、第三者に提供するには記載された本人の同意が必要です。
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在外選挙人証交付記録簿は、その人の名前や情報が記載されたかどうかを確認する以外の目的では領事館からの許可は得られません。
原文
事故や天災で在外選挙人名簿が損傷したら
第30条の15

事故や天災により在外選挙人名簿の情報が損傷したり手を加える必要が生じたら、選挙管理委員会がきちんと復旧することになっています。

事故や天災により損傷した在外選挙人名簿の復旧期限や、復旧された在外選挙人名簿への訂正の申請方法など詳しいことは政令で規定されています。
原文
在外選挙人名簿の登録などについて、詳しいことは
第30条の16

在外選挙人名簿の登録などについて、詳しいことは政令に規定されています。
原文
第5章 選挙はいつだっけ

第4章 これに載ればあなたも選挙人
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