第14章 選挙運動のお金
第十四章 選挙運動に関する収入及び支出並びに寄附
第14章の2 参議院選挙区選挙には特例が
第13章 選挙運動のやり方
収入、寄付、支出とは
-
第179条
-
この法律で《収入》というのは、金銭や物品、財産となる利益をもらうことや、その約束をすることを意味します。
- 2
-
この法律で《寄付》というのは、政党の党費や会費以外に金銭や物品、財産となる利益を提供することや、その約束をすることを意味します。
- 3
-
この法律で《支出》というのは、金銭や物品、財産となる利益を提供することや、その約束をすることを意味します。
- 4
-
花や花輪、香典や祝儀についても、収入や寄付、支出の対象となります。
役所用語で“寄付”のことを【寄附】というらしいです。
原文
252
(収入、寄附及び支出の定義)
- 第百七十九条
-
この法律において「収入」とは、金銭、物品その他の財産上の利益の収受、その収受の承諾又は約束をいう。
- 2
-
この法律において「寄附」とは、金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付、その供与又は交付の約束で党費、会費その他債務の履行としてなされるもの以外のものをいう。
- 3
-
この法律において「支出」とは、金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付、その供与又は交付の約束をいう。
- 4
-
前三項の金銭、物品その他の財産上の利益には、花輪、供花、香典又は祝儀として供与され、又は交付されるものその他これらに類するものを含むものとする。
比例代表選挙関係は適用の対象外に
-
第179条の2
-
衆議院比例代表選挙に関して、第180条から第197条までの規定は適用の対象外となります。
- 2
-
参議院比例代表選挙で参議院名簿に記載されている候補者の内、優先的な当選順位が決まっている人に対して、第180条から第197条の2までの規定は適用の対象外となります。
原文
253
(適用除外)
- 第百七十九条の二
-
次条から第百九十七条までの規定は、衆議院(比例代表選出)議員の選挙については、適用しない。
- 2
-
次条から第百九十七条の二までの規定は、参議院(比例代表選出)議員の選挙における候補者たる参議院名簿登載者で第八十六条の三第一項後段の規定により優先的に当選人となるべき候補者としてその氏名及び当選人となるべき順位が参議院名簿に記載されているものについては、適用しない。
選挙運動の金庫番を決めて
-
第180条
-
立候補したら、選挙運動に関わるお金の流れを管理する金庫番を決める必要があります。
自分で金庫番をやってもかまいませんし、所属の政党や推薦人さんに金庫番を選んでもらってもかまいません。
その場合は候補者の承諾を得る必要があります。
“選挙運動の金庫番”の人のことを《出納責任者》といいます。
- 2
-
出納責任者を決めたら、選挙運動に使える上限金額を決めて、候補者と出納責任者の署名押印をした書面を作成します。
- 3
-
出納責任者を決めたら、出納責任者の名前、住所、職業、生年月日と候補者の名前、そして日付を記載した書類を選挙管理委員会に提出してください。
- 4
-
政党や推薦人に出納責任者を任せた場合、選挙管理委員会に提出する文章に候補者が出納責任者をお任せしたことの証明書も提出してください。
原文
254
(出納責任者の選任及び届出)
- 第百八十条
-
公職の候補者は、その選挙運動に関する収入及び支出の責任者(以下「出納責任者」という。)一人を選任しなければならない。ただし、公職の候補者が自ら出納責任者となり又は候補者届出政党若しくは参議院名簿届出政党等若しくは推薦届出者(推薦届出者が数人あるときは、その代表者。以下この項において同じ。)が当該候補者の承諾を得て出納責任者を選任し若しくは推薦届出者が当該候補者の承諾を得て自ら出納責任者となることを妨げない。
- 2
-
出納責任者を選任したもの(選任したものが候補者届出政党又は参議院名簿届出政党等である場合にあつては、その代表者)は、文書で、出納責任者の支出することのできる金額の最高額を定め、出納責任者とともにこれに署名押印しなければならない。
- 3
-
出納責任者を選任したもの(自ら出納責任者となつた者を含む。)は、直ちに出納責任者の氏名、住所、職業、生年月日及び選任年月日並びに公職の候補者の氏名を、文書で、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(参議院比例代表選出議員の選挙については中央選挙管理会、参議院合同選挙区選挙については当該選挙に関する事務を管理する参議院合同選挙区選挙管理委員会)に届け出なければならない。
- 4
-
候補者届出政党若しくは参議院名簿届出政党等又は推薦届出者が出納責任者を選任した場合においては、前項の規定による届出には、その選任につき公職の候補者の承諾を得たことを証すべき書面(推薦届出者が出納責任者を選任した場合において、推薦届出者が数人あるときは、併せてその代表者たることを証すべき書面)を添えなければならない。
出納責任者を辞めさせる時は
-
第181条
-
出納責任者を辞めさせる時は口頭ではなく、文章でその方に文章で通知をする必要があります。
政党や推薦人が決めていた出納責任者を辞めさせる時は、候補者の承諾を得た上で、文章でその方に文章で通知をする必要があります。
- 2
-
出納責任者が自分から辞めたい場合は、候補者や任せてくれた政党に辞表を提出してください。
原文
255
(出納責任者の解任及び辞任)
- 第百八十一条
-
公職の候補者は、文書で通知することにより出納責任者を解任することができる。出納責任者を選任した候補者届出政党若しくは参議院名簿届出政党等又は推薦届出者において、当該候補者の承諾を得たときも、また同様とする。
- 2
-
出納責任者は、文書で公職の候補者及び当該出納責任者を選任したものに通知することにより辞任することができる。
出納責任者が交代したら通知の証明書を
-
第182条
- 出納責任者が交代した場合も届け出が必要です。
- 2
-
クビにしたり辞任されたせいで出納責任者を交代させた場合は、元出納責任者からの辞表を受け取ったことの証明書や、元出納責任者を辞めさせたときの通知をしたことの証明書も添えて届け出をする必要があります。
候補者から任されていた政党が元出納責任者をクビにしていた場合は、そのことを候補者が承認していたことの証明書も添える必要があります。
原文
256
(出納責任者の異動)
- 第百八十二条
-
出納責任者に異動があつたときは、出納責任者を選任したものは、直ちに第百八十条第三項及び第四項の規定の例により、届け出なければならない。
- 2
-
前項の規定による届出で解任又は辞任による異動に関するものには、前条の規定による通知のあつたことを証すべき書面を添えなければならない。候補者届出政党若しくは参議院名簿届出政党等又は推薦届出者が出納責任者を解任した場合においては、併せて、その解任につき公職の候補者の承諾のあつたことを証すべき書面を添えなければならない。
寝込んでしまったりお亡くなりになってしまったら
-
第183条
-
候補者や政党が決めた出納責任者が寝込んでしまったり、突然お亡くなってしまったら、ひとまず候補者自身が出納責任者の役目を務めてください。
- 2
-
推薦人さんが決めた出納責任者が寝込んでしまったり、突然お亡くなってしまったら、ひとまず推薦人さん自身が出納責任者の役目を務めてください。
さらに出納責任者を務めていた推薦人さんまで寝込んでしまったり、突然お亡くなってしまったら、候補者自身が出納責任者の役目を務めてください。
- 3
-
寝込んだり、お亡くなりになった出納責任者の代わりが決まったら、名前や住所などの届け出をしてください。
- 4
-
寝込んだり、お亡くなりになった出納責任者の代わりの届け出には、その原因となった詳しい状況と、代わりの出納責任者が仕事についった日の日付も届け出をする必要があります。
原文
257
(出納責任者の職務代行)
- 第百八十三条
-
公職の候補者又は候補者届出政党若しくは参議院名簿届出政党等が出納責任者を選任した場合及び推薦届出者が自ら出納責任者となつた場合において、出納責任者に事故があるとき又は出納責任者が欠けたときは、公職の候補者が代わつて出納責任者の職務を行う。
- 2
-
推薦届出者が出納責任者を選任した場合において、出納責任者に事故があるとき又は出納責任者が欠けたときは、当該推薦届出者が代わつてその職務を行う。当該推薦届出者にも事故があるとき又はその者も欠けたときは、公職の候補者が代わつて出納責任者の職務を行う。
- 3
-
前二項の規定により出納責任者に代わつてその職務を行う者は、第百八十条第三項及び第四項の規定の例により、届け出なければならない。
- 4
-
前項の規定による届出には、出納責任者の氏名(出納責任者の選任をした推薦届出者にも事故があるとき又はその者も欠けたときは、併せてその氏名)事故又は欠けたことの事実及びその職務代行を始めた年月日を記載しなければならない。出納責任者に代わつてその職務を行う者がこれをやめたときは、その事由及びその職務代行をやめた年月日を記載しなければならない。
引受時刻証明サービスが利用できる
-
第183条の2
-
出納責任者に関する届け出を郵送する場合、郵便局の引受時刻証明サービスを利用した場合、その時点で届け出がなされたと認められます。
郵便局の引受時刻証明サービスを利用するには、一般書留とする必要があり、通常の郵便料金(84円〜)、一般書留料金(435円)、引受時刻証明料金(320円)がかかるそうです(自己責任で…)。
原文
258
(出納責任者の届出の効力)
- 第百八十三条の二
-
第百八十条第三項及び第四項、第百八十二条又は前条第三項及び第四項の規定による届出書類を郵便で差し出す場合においては、引受時刻証明の取扱いでこれを日本郵便株式会社に託した時をもつて、これらの規定による届出があつたものとみなす。
出納責任者の届け出をするまでは
-
第184条罰則
-
出納責任者の届け出をするまでは、寄付を受けたり、選挙運動の費用の支払いはもちろん、候補者を有利にするための費用や、ライバル候補の足をひっぱるための費用などの支払いをすることは許されません。
原文
259
(届出前の寄附の受領及び支出の禁止)
- 第百八十四条
-
出納責任者(出納責任者に代わつてその職務を行う者を含む。第百九十条の規定を除き、以下同じ。)は、第百八十条第三項及び第四項、第百八十二条又は第百八十三条第三項及び第四項の規定による届出がされた後でなければ、公職の候補者の推薦、支持又は反対その他の運動のために、いかなる名義をもつてするを問わず、公職の候補者のために寄附を受け又は支出をすることができない。
出納責任者になったら会計用の帳簿を
-
第185条罰則
-
選挙運動の金庫番たる出納責任者になったら、まず会計用の帳簿を用意してください。
そして次の項目に該当するお金の流れを記載してください。
- 一
- 選挙運動に関する全ての寄付や収入の金額。
- 二
-
寄付をしてくれた人の名前、住所、職業、寄付をした日付、寄付金の額
お金ではなくてモノで寄付を受けた場合は、それがいくらぐらいのものなのかを見積もった金額。
- 三
- 選挙運動に関する全ての支出。
- 四
-
支払った先の名前、住所、職業、支払った日付、支払いの目的、支払った金額
- 2
-
会計用の帳簿のスタイルについて詳しいことを総務省令で規定されています。
原文
260
(会計帳簿の備付及び記載)
- 第百八十五条
-
出納責任者は、会計帳簿を備え、左の各号に掲げる事項を記載しなければならない。
- 一
-
選挙運動に関するすべての寄附及びその他の収入(公職の候補者のために公職の候補者又は出納責任者と意思を通じてなされた寄附を含む。)
- 二
-
前号の寄附をした者の氏名、住所及び職業並びに寄附の金額(金銭以外の財産上の利益については時価に見積つた金額。以下同じ。)及び年月日
- 三
-
選挙運動に関するすべての支出(公職の候補者のために公職の候補者又は出納責任者と意思を通じてなされた支出を含む。)
- 四
-
前号の支出を受けた者の氏名、住所及び職業並びに支出の目的、金額及び年月日
- 2
- 前項の会計帳簿の種類及び様式は、総務省令で定める。
寄付金を受け取ったら明細書
-
第186条罰則
-
出納責任者になっていない候補者や選挙事務所のスタッフが寄付金を受け取ったら7日以内にその明細書を出納責任者に提出しなければなりません。
明細書には寄付をした人の名前と住所、職業、そして寄付金を受け取った日付と金額を記載します。
なお、出納責任者が「今すぐ提出するように」との要請をしたら、今すぐ明細書を提出してください。
- 2
-
立候補の届け出をする前に寄付金を受け取っていた場合、届け出をしたらすぐに明細書を出納責任者に提出してください。
原文
261
(明細書の提出)
- 第百八十六条
-
出納責任者以外の者で公職の候補者のために選挙運動に関する寄附を受けたものは、寄附を受けた日から七日以内に、寄附をした者の氏名、住所及び職業並びに寄附の金額及び年月日を記載した明細書を出納責任者に提出しなければならない。但し、出納責任者の請求があるときは、直ちに提出しなければならない。
- 2
-
前項の寄附で当該候補者が候補者の届出(参議院比例代表選出議員の選挙にあつては、参議院名簿の届出又は参議院名簿登載者の補充の届出。以下この項において同じ。)がされる前に受けたものについては、候補者の届出がされた後直ちに出納責任者にその明細書を提出しなければならない。
選挙運動の支払いは出納責任者に
-
第187条罰則
-
選挙運動にかかる費用の支払いは出納責任者が行ってください。
それ以外の候補者やスタッフが支払いをする場合は、書面で出納責任者の承認を受ける必要があります。
- 2
-
立候補の準備のための費用や、電話やインターネットなどを使った選挙運動の費用は、出納責任者の承認を受けずに支払いをしてもかまいませんが、支払いをした後で出納責任者に精算してもらう必要がありますので、そのための対応をしてください。
原文
262
(出納責任者の支出権限)
- 第百八十七条
-
立候補準備のために要する支出並びに電話及びインターネット等を利用する方法による選挙運動に要する支出を除くほか、選挙運動に関する支出は、出納責任者でなければすることができない。ただし、出納責任者の文書による承諾を得た者は、この限りでない。
- 2
-
立候補準備のために要した支出で公職の候補者若しくは出納責任者となつた者が支出し又は他の者がその者と意思を通じて支出したものについては、出納責任者は、その就任後直ちに当該候補者又は支出者につきその精算をしなければならない。
支払いをしたら支払い精算書を
-
第188条罰則
-
出納責任者はもちろん、その他の候補者やスタッフが選挙運動の費用の支払いをしたら、支払い精算書を発行してください。
支払い精算書には、支払いをした日付と金額、その目的を記載し、その時の領収書を貼付してください。
- 2
-
出納責任者になっていない候補者やスタッフは支払い精算書を発行したら、すぐに出納責任者に提出してください。
\
原文
263
(領収書等の徴収及び送付)
- 第百八十八条
-
出納責任者又は公職の候補者若しくは出納責任者と意思を通じてそのために支出をした者は、選挙運動に関するすべての支出について、支出の金額、年月日及び目的を記載した領収書その他の支出を証すべき書面を徴さなければならない。但し、これを徴し難い事情があるときは、この限りでない。
- 2
-
公職の候補者又は出納責任者と意思を通じてそのために支出をした者は、前項の書面を直ちに出納責任者に送付しなければならない。
寄付や収入、支出報告の提出義務
-
第189条罰則
-
出納責任者は、選挙運動のために受けた寄付や収入、支出について、報告書を選挙管理委員会に提出する必要があります。
報告書には帳簿に記載したものと同じ次の内容を記載してください。
- 選挙運動に関する全ての寄付や収入の金額
-
寄付をしてくれた人の名前、住所、職業、寄付をした日付、寄付金の額
-
お金ではなくてモノで寄付を受けた場合は、それがいくらぐらいのものなのかを見積もった金額
- 選挙運動に関する全ての支出
-
支払った先の名前、住所、職業、支払った日付、支払いの目的、支払った金額
報告書には領収書やレシートのコピーや振込明細書を貼付してください。
領収書やレシートの受け取りが困難なケースでは、支払った金額や日付と支払い目的が書かれた書類を用意してください。
報告書は次の期間中に提出してください。
- 一
-
選挙の告示前、選挙期間中、投票日後に受けた寄付や収入、支出は投票日から15日目までに。
- 二
-
報告書を提出した後に受けた寄付や収入、支出は投票日のそれが行われた日から7日目までに。
- 2
- 報告書についての詳しいことは総務省令に規定されています。
- 3
-
報告書には、その内容が真実であることについての誓約書も添えてください。
原文
264
(選挙運動に関する収入及び支出の報告書の提出)
- 第百八十九条
-
出納責任者は、公職の候補者の選挙運動に関しなされた寄附及びその他の収入並びに支出について、第百八十五条第一項各号に掲げる事項を記載した報告書を、前条第一項の領収書その他の支出を証すべき書面の写し(同項の領収書その他の支出を証すべき書面を徴し難い事情があつたときは、その旨並びに当該支出の金額、年月日及び目的を記載した書面又は当該支出の目的を記載した書面並びに金融機関が作成した振込みの明細書であつて当該支出の金額及び年月日を記載したものの写し)を添付して、次の各号の定めるところにより、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(参議院比例代表選出議員の選挙については中央選挙管理会、参議院合同選挙区選挙については当該選挙に関する事務を管理する参議院合同選挙区選挙管理委員会)に提出しなければならない。
- 一
-
当該選挙の期日の公示又は告示の日前まで、選挙の期日の公示又は告示の日から選挙の期日まで及び選挙の期日経過後になされた寄附及びその他の収入並びに支出については、これを併せて精算し、選挙の期日から十五日以内に
- 二
-
前号の精算届出後になされた寄附及びその他の収入並びに支出については、その寄附及びその他の収入並びに支出がなされた日から七日以内に
- 2
- 前項の報告書の様式は、総務省令で定める。
- 3
-
第一項の報告書には、真実の記載がなされていることを誓う旨の文書を添えなければならない。
辞めたら次の出納責任者に引き継ぎを
-
第190条罰則
-
出納責任者が辞めたり辞めさせられる場合には、選挙運動に関する寄付や収入、支出についての引き継ぎをしてください。
次の出納責任者が決まっている場合はその人に、決まっていない場合は代行する人が引き継ぎの相手となります。
代行で引き継ぎを受けた人は、次の出納責任者に引き継ぎをしてください。
- 2
-
引き継ぎをする際は、引継書として、引き継ぎをしたことを書き添えて、日付、引き継ぎをした人と引き継ぎを受ける人の証明押印、選挙運動に関する寄付や収入、支出のを記録した書類を取り交わしてください。
そして預かっている現金と帳簿、関連書類とともに次の出納責任者に引き渡してください。
原文
265
(出納責任者の事務引継)
- 第百九十条
-
出納責任者が辞任し又は解任せられた場合においては、直ちに公職の候補者の選挙運動に関しなされた寄附及びその他の収入並びに支出の計算をし、あらたに出納責任者となつた者に対し、あらたに出納責任者となつた者がないときは出納責任者に代つてその職務を行う者に対し、引継をしなければならない。出納責任者に代つてその職務を行う者が事務の引継を受けた後、あらたに出納責任者が定つたときも、また同様とする。
- 2
-
前項の規定により引継ぎをする場合においては、引継ぎをする者において前条の規定の例により引継書を作成し、引継ぎの旨及び引継ぎの年月日を記載し、引継ぎをする者及び引継ぎを受ける者においてともに署名押印し、現金及び帳簿その他の書類とともに引継ぎをしなければならない。
書類は3年間は紙のまま保管を
-
第191条罰則罰則
-
出納責任者は、会計帳簿、明細書、領収書を報告書の提出日から3年間は保管してください。
- 2
-
書類の保管に関して、民間事業者の場合はデジタルデータで保管することが認められていますが、出納責任者の場合はデジタルデータではなくて書類や現物で保管してください。。
原文
266
(帳簿及び書類の保存)
- 第百九十一条
-
出納責任者は、会計帳簿、明細書(第百八十六条に規定する明細書をいう。)及び第百八十八条第一項の領収書その他の支出を証すべき書面を、第百八十九条の規定による報告書提出の日から三年間、保存しなければならない。
- 2
-
前項の規定により保存すべき書類については、民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十六年法律第百四十九号)第三条及び第四条の規定は、適用しない。
報告書の公表と保管や閲覧方法
-
第192条
-
提出した報告書の概要は選挙管理委員会によって公表されます。
この概要については総務省令で詳細が決められています。
- 2
-
報告書の公表の方法は選挙の種類によって次のように決められています。
-
衆議院比例代表選挙と参議院比例代表選挙(中央選挙管理会の管轄)の場合は官報で公表されます。
-
参議院小選挙で合同選挙区(参議院合同選挙区選挙管理委員会の管轄)の場合は合同選挙区都道府県の公報で公表されます。
-
衆議院小選挙区選挙、参議院選挙区選挙、都道府県会議員選挙、都道府県知事選挙(都道府県の選挙管理委員会の管轄)の場合は都道府県の公報で公表されます。
-
区市町村会議員選挙、区市町村長選挙(区市町村の選挙管理委員会の管轄)の場合は選挙区の人々にわかりやすい方法として事前に告示されたメディアで公表されます。
- 3
-
報告書は受理した選挙管理委員会によってその日から3年間保管されます。
- 4
-
保管中、閲覧を希望する人は管轄する選挙委員会が決めた方法で報告書を閲覧することができます。
原文
267
(報告書の公表、保存及び閲覧)
- 第百九十二条
-
第百八十九条の規定による報告書を受理したときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(参議院比例代表選出議員の選挙については中央選挙管理会、参議院合同選挙区選挙については当該選挙に関する事務を管理する参議院合同選挙区選挙管理委員会)は、総務省令の定めるところにより、その要旨を公表しなければならない。
- 2
-
前項の規定による公表は、中央選挙管理会にあつては官報により、参議院合同選挙区選挙管理委員会にあつては各合同選挙区都道府県の公報により、都道府県の選挙管理委員会にあつては都道府県の公報により、市町村の選挙管理委員会にあつてはそのあらかじめ告示をもつて定めたところの周知させやすい方法によつて行う。
- 3
-
第百八十九条の規定による報告書は、当該報告書を受理した選挙管理委員会、参議院合同選挙区選挙管理委員会又は中央選挙管理会において、受理した日から三年間、保存しなければならない。
- 4
-
何人も、前項の期間内においては、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(参議院比例代表選出議員の選挙については中央選挙管理会、参議院合同選挙区選挙については当該選挙に関する事務を管理する参議院合同選挙区選挙管理委員会)の定めるところにより、報告書の閲覧を請求することができる。
報告書の内容を確かめるために
-
第193条罰則
-
報告書の内容を確かめる必要があると判断されたら、管轄する選挙管理委員会から候補者やそのスタッフに対して報告を求められたり、資料の提出を求められたりすることがあります。
原文
268
(報告書の調査に関する資料の要求)
- 第百九十三条
-
中央選挙管理会、参議院合同選挙区選挙管理委員会、都道府県の選挙管理委員会又は市町村の選挙管理委員会は、第百八十九条の規定による報告書の調査に関し必要があると認めるときは、公職の候補者その他関係人に対し、報告又は資料の提出を求めることができる。
選挙運動の支払の上限額
-
第194条
-
選挙運動での支払金額は、次の計算式によって候補者に対する上限が決められています。
支払金額の上限額 = 選挙の種類ごとに決められた有権者のカウント数 ✕ 政令で定められた金額
+ 選挙の種類ごとに政令で定められた額
一 |
衆議院小選挙区選挙 |
選挙人名簿の登録者総数(選挙の告示日時点) |
二 |
参議院選挙区選挙 |
選挙人名簿の登録者総数(選挙の告示日時点) ÷ 通常選挙の場合の議員定数
|
三 |
都道府県会議員選挙
区市町村長選挙
|
選挙人名簿の登録者総数(選挙の告示日時点)÷ 議員定数 |
四 |
都道府県知事選挙
区市町村長選挙
|
選挙人名簿の登録者総数(選挙の告示日時点) |
国外に住んでいる人たちのために行う選挙運動の支払金額については制限の対象とはなりません。
参議院比例代表選挙の支払金額の上限は政令で規定された金額となります。
- 2
-
選挙の支払金額の計算式で得られた金額で99円以下の端数は100円に繰り上げとなります。
衆議院比例代表選挙は候補者による選挙ではない、ということで候補者に対する支払金額の上限が定められていません。
いずれの選挙についても政党に対する支払金額の上限が定められていません。
原文
269
(選挙運動に関する支出金額の制限)
- 第百九十四条
-
選挙運動(専ら在外選挙人名簿に登録されている選挙人(第四十九条の二第一項に規定する政令で定めるものを除く。)で衆議院議員又は参議院議員の選挙において投票をしようとするものの投票に関してする選挙運動で、国外においてするものを除く。)に関する支出の金額は、公職の候補者一人につき、参議院(比例代表選出)議員の選挙にあつては政令で定める額を、その他の選挙にあつては次の各号の区分による数を当該各号の区分に応じ政令で定める金額に乗じて得た額と当該各号の区分に応じ政令で定める額とを合算した額を超えることができない。
一 衆議院(小選挙区選出)議員の選挙 |
その選挙の期日の公示又は告示の日において当該選挙人名簿に登録されている者の総数
|
二 参議院(選挙区選出)議員の選挙 |
通常選挙における当該選挙区内の議員の定数をもつてその選挙の期日の公示又は告示の日において当該選挙人名簿に登録されている者の総数を除して得た数
|
三 地方公共団体の議会の議員の選挙 |
当該選挙区内の議員の定数(選挙区がないときは、議員の定数)をもつてその選挙の期日の告示の日において当該選挙人名簿に登録されている者の総数を除して得た数
|
四 地方公共団体の長の選挙 |
その選挙の期日の告示の日において当該選挙人名簿に登録されている者の総数
|
- 2
-
前項の場合において百円未満の端数があるときは、その端数は、百円とする。
投票日が延期なった場合の支出の上限は
-
第195条
-
次のケースでは、通常の選挙の場合と異なり、候補者が選挙運動で支出できる上限額は政令で定められた金額までとなります。
- 選挙の一部が無効となったために行われる再選挙の場合
- 選挙にならない状況のために投票日が延期された場合
-
都道府県知事選挙や区市町村長選挙で、候補者の内の誰かお亡くなりになったために候補者が1人だけになって投票日が延期された場合
原文
270
(選挙の一部無効及び選挙の期日等の延期の場合の選挙運動に関する支出金額の制限)
- 第百九十五条
-
選挙の一部無効による再選挙、第五十七条第一項の規定による投票の延期並びに第八十六条の四第七項及び第百二十六条第二項(これらの規定及び第八十六条の四第六項の規定について第四十六条の二第二項の規定を適用する場合を含む。)の規定による選挙期日の延期の場合における選挙運動(専ら在外選挙人名簿に登録されている選挙人(第四十九条の二第一項に規定する政令で定めるものを除く。)で衆議院議員又は参議院議員の選挙において投票をしようとするものの投票に関してする選挙運動で、国外においてするものを除く。)に関する支出の金額は、前条の規定にかかわらず、公職の候補者一人につき、政令で定めるところによる額を超えることができない。
上限金額は選挙がはじまるとすぐに
-
第196条
-
選挙が告示されるとすぐに選挙委員会から選挙運動のための支出の上限金額が発表されます。
原文
271
(選挙運動に関する支出金額の制限額の告示)
- 第百九十六条
-
当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(参議院比例代表選出議員の選挙については中央選挙管理会、参議院合同選挙区選挙については当該選挙に関する事務を管理する参議院合同選挙区選挙管理委員会)は、当該選挙の期日の公示又は告示があつた後、直ちに、前二条の規定による額を告示しなければならない。
支出として報告しなくて済むお金
-
第197条
-
次のような支出は、選挙運動のための支出として報告する必要はありません。
- 一
-
立候補する前の準備期間中に、候補者や出納責任者が預かり知らないところで支払われたお金。
- 二
-
立候補してからスタッフが活動しだしてから、候補者や出納責任者が預かり知らないところで支払われたお金。
- 三
- 候補者が乗る車の購入費用や維持費用。
- 四
- 投票日が過ぎたあとで残務整理のためにかかる費用。
- 五
- 選挙運動により必要となった税金や各種手数料。
- 六
-
衆議院小選挙区選挙で所属政党が支払う選挙運動の費用や、参議院比例代表選挙で参議院名簿の届け出政党が支払う選挙運動の費用。
- 七
-
参議院選挙区選挙で、所属や推薦してくれている政党が支払う選挙運動の費用。
- 2
-
選挙カーや選挙船にかかった費用への支出も、選挙運動のための支出として報告する必要はありません。
原文
272
(選挙運動に関する支出とみなされないものの範囲)
- 第百九十七条
- 次に掲げる支出は、選挙運動に関する支出でないものとみなす。
- 一
-
立候補準備のために要した支出で、公職の候補者若しくは出納責任者となつた者のした支出又はその者と意思を通じてした支出以外のもの
- 二
-
第八十六条第一項から第三項まで若しくは第八項、第八十六条の三第一項若しくは同条第二項において準用する第八十六条の二第九項又は第八十六条の四第一項、第二項、第五項、第六項若しくは第八項の規定による届出があつた後公職の候補者又は出納責任者と意思を通じてした支出以外のもの
- 三
- 公職の候補者が乗用する船車馬等のために要した支出
- 四
- 選挙の期日後において選挙運動の残務整理のために要した支出
- 五
- 選挙運動に関し支払う国又は地方公共団体の租税又は手数料
- 六
-
候補者届出政党が行う選挙運動(専ら衆議院小選挙区選出議員の選挙以外の選挙において行うものを除く。)又は参議院名簿届出政党等が行う選挙運動(専ら参議院比例代表選出議員の選挙以外の選挙において行うものを除く。)のために要した支出
- 七
-
第二百一条の四又は第十四章の三の規定により政党その他の政治団体が行う選挙運動のために要した支出
- 2
-
第百四十一条の規定による自動車及び船舶を使用するために要した支出も、また前項と同様とする。
立替金やバイト代にも上限金額
-
第197条の2
-
選挙事務所のスタッフの方が立替金や、選挙運動のために雇われたスタッフの方へのバイト代についても上限金額が決められています。
政令で立替金やバイト代の基準が示されていて、選挙管理委員会が具体的な上限金額を決めます。
衆議院比例代表選挙の場合は第4項にある通り、候補者ではなく政党にスタッフの立替金やバイト代の支払いが認められています。
- 2
-
次のような選挙運動に関わる業務を任された人たちには、選挙期間が始まってから投票の前日までの間に限り、ギャラを支払うことが認められています。
- 選挙運動に関わる事務のスタッフの方
- 選挙カーのドライバーさんや選挙船の船長さん
- 手話通訳の方
- 選挙用のウェブサイトやtwetterの運営者の方
ギャラの金額には政令の基準に従って選挙管理委員会により上限額が決められています。
ギャラの支払い対象となる人の数は選挙ごとに政令で決められていて、1日に動員できる人数は50人までと決められています。
これらの人たちの立替金ももちろん支払うことが認められています。
衆議院比例代表選挙の場合は第4項にある通り、候補者ではなく政党にギャラや立替金の支払いが認められています。
- 3
-
衆議院小選挙区選挙で候補者の届け出をした政党についても、次のような選挙業務を任された人たちに、選挙期間が始まってから投票の前日までの間に限り、ギャラを支払うことが認められています。
- 政党による選挙運動に関わる事務のスタッフの方
- 政党の選挙カーのドライバーさんや選挙船の船長さん
- 政党から任された手話通訳の方
- 政党用の選挙用のウェブサイトやtwetterの運営者の方
1日あたりに支払われるギャラの金額は政令で上限額が決められています。
- 4
-
衆議院比例代表選挙では衆議院名簿の届け出をした政党は、次のような選挙業務を任された人たちに、選挙期間が始まってから投票の前日までの間に限り、ギャラを支払うことが認められています。
- 政党による選挙運動に関わる事務のスタッフの方
- 政党の選挙カーのドライバーさんや選挙船の船長さん
- 政党から任された手話通訳の方
- 政党用の選挙用のウェブサイトやtwetterの運営者の方
1日あたりに支払われるギャラの金額は政令で上限額が決められています。
- 5
-
候補者によるギャラの支払い対象となる人は業務に就く前に選挙管理委員会に届け出をしてください。
業務に就く前に届け出ができないケースとして政令の規定に該当している場合は、ギャラの支払いをする前に届け出をしてください。
政党の選挙スタッフに対しての人数制限はここでは決められていないみたいですね。
原文
273
(実費弁償及び報酬の額)
- 第百九十七条の二
-
衆議院(比例代表選出)議員の選挙以外の選挙においては、選挙運動(衆議院小選挙区選出議員の選挙において候補者届出政党が行うもの及び参議院比例代表選出議員の選挙において参議院名簿届出政党等が行うものを除く。以下この項及び次項において同じ。)に従事する者に対し支給することができる実費弁償並びに選挙運動のために使用する労務者に対し支給することができる報酬及び実費弁償の額については、政令で定める基準に従い、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(参議院比例代表選出議員の選挙については中央選挙管理会、参議院合同選挙区選挙については当該選挙に関する事務を管理する参議院合同選挙区選挙管理委員会)が定める。
- 2
-
衆議院(比例代表選出)議員の選挙以外の選挙においては、選挙運動に従事する者(選挙運動のために使用する事務員、専ら第百四十一条第一項の規定により選挙運動のために使用される自動車又は船舶の上における選挙運動のために使用する者、専ら手話通訳のために使用する者及び専ら第百四十二条の三第一項の規定によるウェブサイト等を利用する方法による選挙運動のために使用する文書図画の頒布又は第百四十三条第一項の規定による選挙運動のために使用する文書図画の掲示のために口述を要約して文書図画に表示すること(次項及び第四項において「要約筆記」という。)のために使用する者に限る。)については、前項の規定による実費弁償のほか、当該選挙につき第八十六条第一項から第三項まで若しくは第八項、第八十六条の三第一項若しくは同条第二項において準用する第八十六条の二第九項又は第八十六条の四第一項、第二項、第五項、第六項若しくは第八項の規定による届出のあつた日からその選挙の期日の前日までの間に限り、公職の候補者一人について一日五十人を超えない範囲内で各選挙ごとに政令で定める員数の範囲内において、一人一日につき政令で定める基準に従い当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(参議院比例代表選出議員の選挙については中央選挙管理会、参議院合同選挙区選挙については当該選挙に関する事務を管理する参議院合同選挙区選挙管理委員会)が定める額の報酬を支給することができる。
- 3
-
衆議院(小選挙区選出)議員の選挙においては、候補者届出政党は、当該候補者届出政党が行う選挙運動に従事する者(当該候補者届出政党が行う選挙運動のために使用する事務員、専ら第百四十一条第二項の規定により選挙運動のために使用される自動車又は船舶の上における選挙運動のために使用する者、専ら手話通訳のために使用する者及び専ら要約筆記のために使用する者に限る。)に対し、当該選挙につき第八十六条第一項又は第八項の規定による届出のあつた日からその選挙の期日の前日までの間に限り、一人一日につき政令で定める額の報酬を支給することができる。
- 4
-
衆議院(比例代表選出)議員の選挙においては、衆議院名簿届出政党等は、当該衆議院名簿届出政党等が行う選挙運動に従事する者(当該衆議院名簿届出政党等が行う選挙運動のために使用する事務員、専ら第百四十一条第三項の規定により選挙運動のために使用される自動車又は船舶の上における選挙運動のために使用する者、専ら手話通訳のために使用する者及び専ら要約筆記のために使用する者に限る。)に対し、当該選挙につき第八十六条の二第一項の規定による届出のあつた日からその選挙の期日の前日までの間に限り、一人一日につき政令で定める額の報酬を支給することができる。
- 5
-
第二項の規定により報酬の支給を受けることができる者は、公職の候補者が、その者を使用する前(その者を使用する前にこの項の規定による届出をすることができない場合として政令で定める場合にあつては、その者に対して第二項の規定により報酬を支給する前)に、政令で定めるところにより、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(参議院比例代表選出議員の選挙については中央選挙管理会、参議院合同選挙区選挙については当該選挙に関する事務を管理する参議院合同選挙区選挙管理委員会)に届け出た者に限る。
仕事を請け負っている人たちなどからの寄付は禁止
-
第199条重要罰則
-
国から仕事を請け負っている人や国から利益を得ている人は、衆・参の国会議員選挙で寄付をすることは許されていません。
都道府県から仕事を請け負っている人や都道府県から利益を得ている人は、都道府県知事や都道府県会議員の選挙や区市町村長や区市町村会議員の選挙で寄付をすることは許されていません。
区市町村から仕事を請け負っている人や区市町村から利益を得ている人は、区市町村長や区市町村会議員の選挙や都道府県知事や都道府県会議員の選挙で寄付をすることは許されていません。
- 2
-
国から融資に対する利子の助成を受けている会社や法人は、助成金がもらえることが決まった日から1年の間は衆・参の国会議員選挙で寄付をすることは許されていません。
都道府県から融資に対する利子の助成を受けている会社や法人は、助成金がもらえることが決まった日から1年の間は都道府県知事や都道府県会議員の選挙や区市町村長や区市町村会議員の選挙で寄付をすることは許されていません。
区市町村から融資に対する利子の助成を受けている会社や法人は、助成金がもらえることが決まった日から1年の間は区市町村長や区市町村会議員の選挙や都道府県知事や都道府県会議員の選挙やで寄付をすることは許されていません。
試験研究や調査目的の融資に対する利子の助成や災害復旧目的の融資に対する利子の助成の場合は寄付禁止の対象とはなりません。
助成金がもらえないこと決まってその通知を受けた日から1年の間も寄付をすることは許されていません。
原文
274
(特定の寄附の禁止)
- 第百九十九条
-
衆議院議員及び参議院議員の選挙に関しては国と、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に関しては当該地方公共団体と、請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である者は、当該選挙に関し、寄附をしてはならない。
- 2
-
会社その他の法人が融資(試験研究、調査及び災害復旧に係るものを除く。)を受けている場合において、当該融資を行なつている者が、当該融資につき、衆議院議員及び参議院議員の選挙に関しては国から、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に関しては当該地方公共団体から、利子補給金の交付の決定(利子補給金に係る契約の承諾の決定を含む。以下この条において同じ。)を受けたときは、当該利子補給金の交付の決定の通知を受けた日から当該利子補給金の交付の日から起算して一年を経過した日(当該利子補給金の交付の決定の全部の取消しがあつたときは、当該取消しの通知を受けた日)までの間、当該会社その他の法人は、当該選挙に関し、寄附をしてはならない。
候補者は寄付禁止
-
第199条の2罰則罰則
-
新人、現職、前職、元職を問わず、立候補をしている人も立候補を予定している人も、どのような理由をつけても、自分の選挙区内で寄付をすることは許されません。
例外として寄付が認められるのは、次の3つのケースのみです。
- 政党や政党の支部に寄付をする場合。
- 候補者の親族に寄付をする場合。
-
政策についての勉強会を開催するための必要経費の支払いに対して寄付をする場合
勉強会で出される食事の費用については、ごく一般的な金額に対してであれば寄付が認められますが、度を超えて豪華な食事となるとその代金に対する寄付は認められないものとなります。
- 2罰則
-
本人ではなくても、候補者の選挙区内で候補者名義の寄付をすることは許されません。
例外として寄付が認められるのは、次の2つのケースのみです。
- 候補者の親族に寄付をする場合。
-
政策についての勉強会を開催するための必要経費の支払いに対して寄付をする場合
- 3罰則罰則
-
選挙区内の人が候補者に対して寄付を要請してはいけません。
例外として、寄付の要請が認められるのは、次の3つのケースのみです。
- 政党や政党の支部への寄付を要請する場合。
- 候補者の親族が寄付を要請する場合。
-
政策についての勉強会を開催するための必要経費の支払いに対して寄付を要請する場合
- 4罰則
-
本人ではない人に対しても、候補者の選挙区内で候補者名義の寄付を要請してはいけません。
例外として寄付が認められるのは、次の2つのケースのみです。
- 候補者の親族への寄付を要請する場合。
-
政策についての勉強会を開催するための必要経費の支払いに対して寄付を要請する場合
原文
275
(公職の候補者等の寄附の禁止)
- 第百九十九条の二
-
公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。以下この条において「公職の候補者等」という。)は、当該選挙区(選挙区がないときは選挙の行われる区域。以下この条において同じ。)内にある者に対し、いかなる名義をもつてするを問わず、寄附をしてはならない。ただし、政党その他の政治団体若しくはその支部又は当該公職の候補者等の親族に対してする場合及び当該公職の候補者等が専ら政治上の主義又は施策を普及するために行う講習会その他の政治教育のための集会(参加者に対して饗きよう応接待(通常用いられる程度の食事の提供を除く。)が行われるようなもの、当該選挙区外において行われるもの及び第百九十九条の五第四項各号の区分による当該選挙ごとに当該各号に定める期間内に行われるものを除く。以下この条において同じ。)に関し必要やむを得ない実費の補償(食事についての実費の補償を除く。以下この条において同じ。)としてする場合は、この限りでない。
- 2
-
公職の候補者等を寄附の名義人とする当該選挙区内にある者に対する寄附については、当該公職の候補者等以外の者は、いかなる名義をもつてするを問わず、これをしてはならない。ただし、当該公職の候補者等の親族に対してする場合及び当該公職の候補者等が専ら政治上の主義又は施策を普及するために行う講習会その他の政治教育のための集会に関し必要やむを得ない実費の補償としてする場合は、この限りでない。
- 3
-
何人も、公職の候補者等に対して、当該選挙区内にある者に対する寄附を勧誘し、又は要求してはならない。ただし、政党その他の政治団体若しくはその支部又は当該公職の候補者等の親族に対する寄附を勧誘し、又は要求する場合及び当該公職の候補者等が専ら政治上の主義又は施策を普及するために行う講習会その他の政治教育のための集会に関し必要やむを得ない実費の補償としてする寄附を勧誘し、又は要求する場合は、この限りでない。
- 4
-
何人も、公職の候補者等を寄附の名義人とする当該選挙区内にある者に対する寄附については、当該公職の候補者等以外の者に対して、これを勧誘し、又は要求してはならない。ただし、当該公職の候補者等の親族に対する寄附を勧誘し、又は要求する場合及び当該公職の候補者等が専ら政治上の主義又は施策を普及するために行う講習会その他の政治教育のための集会に関し必要やむを得ない実費の補償としてする寄附を勧誘し、又は要求する場合は、この限りでない。
候補者がわかるような状態の法人からの寄付は禁止
-
第199条の3罰則
-
新人、現職、前職、元職を問わず、立候補している人が役員を務めている会社や法人は、どのような理由をつけても、候補者の名前を出したり、候補者がわかってしまう状態の寄付を行うことは許されません。
例外として、政党や政党の支部に対しては、候補者名がわかる状態での寄付をしても問題ありません。
原文
276
(公職の候補者等の関係会社等の寄附の禁止)
- 第百九十九条の三
-
公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)がその役職員又は構成員である会社その他の法人又は団体は、当該選挙区(選挙区がないときは選挙の行われる区域)内にある者に対し、いかなる名義をもつてするを問わず、これらの者の氏名を表示し又はこれらの者の氏名が類推されるような方法で寄附をしてはならない。ただし、政党その他の政治団体又はその支部に対し寄附をする場合は、この限りでない。
候補者がわかってしまう法人の寄付は禁止
-
第199条の4罰則
-
候補者の名前を冠した法人や、候補者がわかってしまう名前の法人は、その候補者の選挙区内で寄付をすることは許されません。
例外として、その候補者への寄付や、政党、政党支部への寄付については禁止されていません。
原文
277
(公職の候補者等の氏名等を冠した団体の寄附の禁止)
- 第百九十九条の四
-
公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)の氏名が表示され又はその氏名が類推されるような名称が表示されている会社その他の法人又は団体は、当該選挙に関し、当該選挙区(選挙区がないときは選挙の行われる区域)内にある者に対し、いかなる名義をもつてするを問わず、寄附をしてはならない。ただし、政党その他の政治団体若しくはその支部又は当該公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)に対し寄附をする場合は、この限りでない。
後援団体の寄付は禁止
-
第199条の5罰則
-
新人、現職、前職、元職を問わず、支持をする候補者のため政党や政党の支部を拠点に政治活動をする団体を《後援団体》といいます。
後援団体はどのような理由をつけても、支持する候補者の選挙区内の有権者に寄付をすることは許されません。
例外として寄付が認められるのは、次の2つのケースのみです。
- 支持している候補者に寄付をする場合。
-
後援団体の設立した目的を達成するために行うイベントやプロジェクトへの寄付をする場合。
このイベントやプロジェクトへの寄付ですが、生花を届けたり、祝儀や香典を贈ることは認められません。
- 2罰則罰則
-
後援団体が催すイベントで、禁止期間中に有権者に対して豪勢な料理やお酒を振る舞ったり、お金やノベルティを配ったりすることは認められません。
禁止期間は選挙の種類により決められています。
- 3罰則
-
新人、現職、前職、元職を問わず、候補者は禁止期間中、後援団体に対して寄付をすることが認められません。
- 4
-
“選挙の種類により寄付や振る舞いが認められない期間”とは次の通りです。
- 一
-
衆議院の総選挙:
- 任期満了の90日前から投票日までの間
- 衆議院の解散の翌日から投票日までの間
- 二
-
参議院議員の通常選挙:
- 三
-
都道府県会議員選挙
都道府県知事選挙
区市町村会議員選挙
区市町村長選挙:
- 四
-
単独で行われる衆議院・参議院の再選挙:
-
再選挙を行う必要が生じて、選挙管理委員会が告示をした次の日から投票日までの間
- 五
-
補欠選挙とまとめて行われる衆議院・参議院の統一再選挙
衆議院・参議院の補欠選挙:
- 次のどちらか遅い日から投票日まで
- 再選挙を行う必要が生じて選挙管理委員会が告示をした翌日
-
参議院の任期満了の日などのように必ず選挙を行うことが決まっている日の90日前の日
- 六
-
任期満了以外の理由で行われる都道府県会議員選挙
任期満了以外の理由で行われる都道府県知事選挙
任期満了以外の理由で行われる区市町村会議員選挙
任期満了以外の理由で行われる区市町村長選挙:
-
選挙を行う必要が生じて選挙管理委員会が告示をした翌日から投票日までの間
原文
278
(後援団体に関する寄附等の禁止)
- 第百九十九条の五
-
政党その他の団体又はその支部で、特定の公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)の政治上の主義若しくは施策を支持し、又は特定の公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)を推薦し、若しくは支持することがその政治活動のうち主たるものであるもの(以下「後援団体」という。)は、当該選挙区(選挙区がないときは、選挙の行われる区域)内にある者に対し、いかなる名義をもつてするを問わず、寄附をしてはならない。ただし、政党その他の政治団体若しくはその支部又は当該公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)に対し寄附をする場合及び当該後援団体がその団体の設立目的により行う行事又は事業に関し寄附(花輪、供花、香典、祝儀その他これらに類するものとしてされるもの及び第四項各号の区分による当該選挙ごとの一定期間内にされるものを除く。)をする場合は、この限りでない。
- 2
-
何人も、後援団体の総会その他の集会(後援団体を結成するための集会を含む。)又は後援団体が行なう見学、旅行その他の行事において、第四項各号の区分による当該選挙ごとに一定期間、当該選挙区(選挙区がないときは、選挙の行なわれる区域)内にある者に対し、饗きよう応接待(通常用いられる程度の食事の提供を除く。)をし、又は金銭若しくは記念品その他の物品を供与してはならない。
- 3
-
公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)は、第百九十九条の二第一項の規定にかかわらず、次項各号の区分による当該選挙ごとに一定期間、当該公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)に係る後援団体(政治資金規正法第十九条第二項の規定による届出がされた政治団体を除く。)に対し、寄附をしてはならない。
- 4
- この条において「一定期間」とは、次の各号に定める期間とする。
- 一
-
衆議院議員の総選挙にあつては、衆議院議員の任期満了の日前九十日に当たる日から当該総選挙の期日までの間又は衆議院の解散の日の翌日から当該総選挙の期日までの間
- 二
-
参議院議員の通常選挙にあつては、参議院議員の任期満了の日前九十日に当たる日から当該通常選挙の期日までの間
- 三
-
地方公共団体の議会の議員又は長の任期満了による選挙にあつては、その任期満了の日前九十日に当たる日(第三十四条の二第二項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定による告示がなされた場合にあつては、任期満了の日前九十日に当たる日又は当該告示がなされた日の翌日のいずれか早い日)から当該選挙の期日までの間
- 四
-
衆議院議員又は参議院議員の再選挙(統一対象再選挙を除く。)にあつては、当該選挙を行うべき事由が生じたとき(第三十三条の二第七項の規定の適用がある場合には、同項の規定により読み替えて適用される同条第一項に規定する遅い方の事由が生じたとき)その旨を当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙については中央選挙管理会、参議院合同選挙区選挙については当該選挙に関する事務を管理する参議院合同選挙区選挙管理委員会)が告示した日の翌日から当該選挙の期日までの間
- 五
-
衆議院議員又は参議院議員の統一対象再選挙又は補欠選挙にあつては、当該選挙を行うべき事由が生じたとき(第三十三条の二第七項の規定の適用がある場合には、同項の規定により読み替えて適用される同条第二項から第五項までに規定する遅い方の事由が生じたとき)その旨を当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙については中央選挙管理会、参議院合同選挙区選挙については当該選挙に関する事務を管理する参議院合同選挙区選挙管理委員会)が告示した日の翌日又は当該選挙を行うべき期日(同条第三項の規定によるものについては、参議院議員の任期満了の日)前九十日に当たる日のいずれか遅い日から当該選挙の期日までの間
- 六
-
地方公共団体の議会の議員又は長の選挙のうち任期満了による選挙以外の選挙にあつては、当該選挙を行うべき事由が生じたとき(第三十四条第四項の規定の適用がある場合には、同項の規定により読み替えて適用される同条第一項に規定する最も遅い事由が生じたとき)その旨を当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会が告示した日の翌日から当該選挙の期日までの間
仕事を請け負っている人からの寄付の要請や受け取りの禁止
-
第200条罰則
- どのような立場の人であっても、国や地方公共団体から仕事を請け負っている人や国から利益を得ている人に対して、寄付を要請してはいけません。
- 2罰則
- どのような立場の人であっても、国や地方公共団体から仕事を請け負っている人や国から利益を得ている人から寄付を受けてはいけません。
原文
279
(特定人に対する寄附の勧誘、要求等の禁止)
- 第二百条
-
何人も、選挙に関し、第百九十九条に規定する者に対して寄附を勧誘し又は要求してはならない。
- 2
-
何人も、選挙に関し、第百九十九条に規定する者から寄附を受けてはならない。
第14章の2 参議院選挙区選挙には特例が
第13章 選挙運動のやり方
かみくだし方についてのご意見・ご感想、解釈の間違いに関するご指摘や、
よりわかりやすいかみくだし方のご提案はお気軽にコメント欄へお願いいたします。
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